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『シップブレーカー』 パオロ・バチガルピ [SF]


シップブレイカー (ハヤカワ文庫SF)

シップブレイカー (ハヤカワ文庫SF)

  • 作者: パオロ・バチガルピ
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2012/08/23
  • メディア: 文庫


本当は3日ぐらいで読み終わったんだが、感想書くのをサボっておりました。
『ねじまき』とかあんなにてこずって読むのに長時間かかってたのに、なんでこんなにさくさく読めたのか、というと、これはYA小説なのであった。ヤングでアダルトな奴なので、エログロ度が低くて、未来への(将来への)希望があって、途中でうんざりしなかったので。
主人公の少年は資源が枯渇した近未来、廃船から金属をサルベージするシップブレーカーという仕事をしているのだが、これが最底辺の仕事で(この作者にはありがち)、きつくて危険で低賃金。しかも身体が小さい子供のうちでないとできないという(狭いところに潜り込むから)。
小柄で金髪で褐色の肌で青い目、というハイブリッドな容姿のこの少年ネイラーは、なんとなく髪染めてる時のネイマール的なイメージ(目の色違うが)。
ただ、頬に回収グループのマークである渦巻き模様のタトゥーが入っているという記述で、どうしてもバカボンが浮かんできてしまい、表紙イラストを見て「いやそういう渦巻きじゃないから、こういうのだから」と。
対してヒロイン黒髪の美少女ニタは全くイメージが湧かず。名前の雰囲気からするとラテン系?キャサリン・ゼタ・ジョーンズを若ーく繊細にしたような?
一応悪い奴は報いを受けて、主人公たちは力強く成長していくという若者向けな話なので、『ねじまき』のようにどんよりとはならない。こういうシンプルな話の方がいいなー。現実がしんどいので物語の世界では明るく楽しい気分になりたいのだよ。

この話には、地球温暖化のせいでとんでもない大嵐が頻繁に襲来するのだが、昨今の日本の気候を重ね合わせると、SF小説の中の遠い世界の話じゃなくて、現実がそうなりつつあるのをひしひしと感じる。
このまま行くとヤバイよ、というのをわかっていても、未来の地球のためというだけでは今の生活を簡単には変えられない。人間って愚かで弱い惰性の生き物なんだなー。
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