『ねじまき少女』(上・下) パオロ・バチガルピ [SF]
上巻途中で頓挫していたが、『第六ポンプ』経由でいろいろバチガルピ的世界への理解を深め、ちゃんと最後まで読みましたよ、はい。ここで言ったとおりに。
この作者は糞尿とか暴力描写が好きなんかいな、というぐらい、まーまーそういう光景がたくさん出てくるのは別に平気なのだが、ほとんどの登場人物に共感できないってのが・・・。
それでも、無理無理読み進めると、下巻の後半にはさっくさく読めるようになり、最後は楽しいとさえ思えるようになった。
いつも思うのだが、長編は最初の方で厳しいと思っても根気よくつきあえばなじんでくることが多い。CDもそうで、最初1回目に聴いたときは「前の奴の方が良かった」と思っても、聴き込むと「なんかいいじゃん」となってくる。でも、問題は年を取るとどんどん根気がなくなってくるわけさ。ここをどうやってこなしていくかが今後長編を読む場合の肝だね。
で、ねじまき少女というのは少女型アンドロイドのことなんだが、彼女が主人公なのかというとそうでもない。主人公のうちの一人ではあるが。とにかく主要な登場人物が多くてそれもストーリーがわけわからなくなってしまう一因かも。登場人物紹介ページがあるといいのに。いまどき文庫本読むのは年寄りが多いんだから、そういう「優しい」文庫にしていただきたいなぁ(わがまま)。
さて、この後は『シップ・ブレイカー』(同著者)を読む予定。できるだけ同じ作者を集中的に読むことによって理解度を深める作戦。
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